皆さま、こんばんは。

今、別荘でたった独りきりでこの文章を書いています。

外では風の音も虫の声もせず、時々、薪ストーブの中の木がパチンと弾ける音しかしません。 

ついさっきまで、あの騒動のあった船にいたとは、とても信じられない感じです。

思い返せば、あの検疫のための隔離生活が始まった当初、『何か新しいイベントが始まった』くらいにしか考えていませんでした。

Twitterを始めたのも、「出てきた料理をちょっとネットに載せてみよう」くらいの軽い気持ちからでした。

なので、料理が届く度にワクワクしながらTwitterにアップするのが日々の楽しみになっていました。

そんな感じで過ごして数日、ふと他の乗船客の方達のTwitterを見ると、「薬が届かない!」や「持病が悪化した…」「これから一体、どうなるのか」といった深刻な呟きが多く、私ひとりだけウキウキで食レポをやってた事に気がついた時の恥ずかしさは…もう……

例えるなら、真冬に皆が厚手のコートを着て寒さで震えている中で、ひとりランニングシャツと短パンを着て、ぴょんぴんと飛び跳ねていたような、そんな浮きまくり感でいっぱいで……

その晩、思わずベッドの中で頭からかけ布団を被って、恥ずかしさで身悶えてしまいました(笑)

自分だけ明らかに浮いているツイート内容で、他の深刻な事態となっている乗客の方からお叱りを受けそうな気もしたので、呟くのを止めようかどうしようか迷っていたその時、

『両親が乗船しているが、高齢でスマホを持っていないので、中でどうやって過ごしているか全く分からない。あなたのツイートがとても助かっている』

とのコメントを頂きました。

その一言で最後までツイートを続ける決意をしました。

やがて次第に、フォローして下さる方達もどんどんと増えてゆき、最初は檻の中のパンダでも見るような好奇心でフォローされてるのかな?と思っていましたが、皆さん心からの「頑張れ!」を送って下さっていた事に気がつき、涙が出るほどに嬉しかったです。

アップした写真から食事に出された果物を食べていないのを見抜き、『免疫力のためにちゃんと食べないとダメだよー』と叱って下さったり、『ラジオ体操をちゃんとやってるかチェックしてますよ!』と心配してくれたりと、見守られてる感がハンパなかったです(笑)

特にモモピー様は初期からずっと的確なアドバイスを送って下さり、最後の荷造りの時にも、『バスルームに忘れ物はありませんか?』のコメントでハッとして慌ててバスルームに駆け込んだりと、最初から最後までお世話になりっぱなしでした。

皆さまのお顔は見えないけれど、まるで友人か家族が近くにいるかのような存在感が、確かにありました。

翌日のメニューをアップすると、皆さんがメニューの内容であれこれと盛り上がり、船内新聞をアップすれば、書かれていたトリビアの感想でまた盛り上がってくれる。そんな和気藹々としたコメントを眺めていると、自然とこちらも笑顔になり、ついつい時間を忘れてしまいました。

この検疫期間を乗り越えられたのは、間違いなく皆さまのお陰です。

人生で最高に最悪の体験でしたが、人の優しさ、温かさ、思いやりに触れる事の出来た、最高に幸せな時間でもありました。

私はダイヤモンドプリンセス号の復活を心から信じています。

皆さまいつかきっと、復活したダイヤモンドプリンセスの船の上でお会いしましょう。

本当ありがとうございました。